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ニュースリリース2024/05/14クローラドリル『HCR1200-DⅥ ADVANCE』シリーズを国内向けに発売

ワンレバーせん孔できるドリリングオペレーションサポート機能を搭載

古河ロックドリル株式会社は、このほど、国内向けに油圧クローラドリル『HCR1200-DⅥ ADVANCE』シリーズの販売を開始しました。せん孔中の操作を支援する「ドリリング・オペレーションサポートシステム」を搭載し、ワンレバーせん孔を実現しました。

油圧クローラドリル『HCR1200-DⅥ ADVANCE

近年、重機の国内市場では、オペレータ不足が問題となっています。特に油圧クローラドリルのレバー操作は他の重機と比べ専門的で、熟練オペレータの引退による更なる人材不足が懸念されています。そのため、市場からは誰でも簡単にせん孔できる機能が求められており、古河ロックドリルは国内シェア65%(当社調べ)を誇る油圧クローラドリルの自動化を目標に掲げ、昨年、『HCR1000-DⅥ ADVANCE』を発売し、経験の浅いオペレータのせん孔サポートや新人オペレータが基本的なせん孔作業を短期間で習得できると、ご好評を頂いて来ました。
このほど、中・大規模鉱山および採石場向けに、上位サイズのクローラドリル『HCR1200-DⅥ ADVANCE』シリーズの販売を開始しました。本機は、「ドリリング・オペレーションサポートシステム」[後述の特徴①と②を参照]を搭載しており、せん孔制御のサポートとシンプルな操作が可能で、オペレータのレバー操作回数を約70%削減するほか、せん孔中のジャミング(※1)回避や孔曲がり抑制を自動で行います。
 古河ロックドリルは、今後もお客さまの要望に応えるべく、油圧クローラドリルの自動化に向け、更なる取り組みに努めてまいります。

※1 岩石が安定しない破砕帯等により、せん孔中にビット(ドリル先端部)が地中でとられ、せん孔が進まなくなる現象

『HCR1200-DⅥ ADVANCEの特長

本機に搭載した「ドリリング・オペレーションサポートシステム」は、①「ドリリングサポートシステム」と②「オペレーションサポートシステム」の2つのサポート機能を有しています。
さらに、タッチパネル画面の表示により、スムーズなせん孔作業をサポートします。
① ドリリングサポートシステム(DRS)
 従来のモデル(HCR1200-DVI)には、フラッシング(※2)風量の減少またはビット回転圧力の上昇時に、フィード(※3)後進を行うアンチジャミング機能と、岩盤の変化に応じた最適なせん孔状態に自動制御するIDS(インテリジェント・ドリリング・システム)(※4)が搭載されました。
 さらに本機に搭載されたドリリングサポートシステムは、下記の制御を追加し、熟練オペレータが手動で行っていたジャミング回避操作の自動化を実現しました。
・フィード圧力および打撃圧力制御
孔内に破砕物が詰まってビットの回転圧力が高くなるとフィード停止または後進を行い、ジャミングを回避します。フィード圧力制御中は、打撃圧力を低減し、空打ち(※5)によるツールへの負担を軽減します。
・フィード速度制御
フィード・スピードコントロールバルブを搭載して、ビットが硬岩から軟岩や空洞に突入した際、フィード速度を抑制し、境界面へ斜めに当たったときの孔曲りを抑制します。フィード速度抑制中は、打撃圧力を低減し、ツールへの負担を軽減します(図1)。
・口切り、ザグリせん孔制御
設定されたせん孔長まで、打撃と回転を交互に行い、ビットの滑りによる孔曲がりを抑制します。さらに、設定せん孔長まで、弱打撃によりザグリせん孔を行い、表土層での孔口の崩壊を抑制します。

図1 DRSによるせん孔制御の動作

※2 せん孔の基本的な役割のひとつで、繰り粉(せん孔によって破砕した岩の破片)が破砕面に残留しないように水や空気で排出します。
※3 ドリフタの前後進
※4 ジャミング発生時、直ちにフィード後進させるのでなく、まずフィード停止させて、回転圧が低下後に再び前進させ、最短時間でせん孔します。
※5ビットが岩盤に押付けられていない状態での打撃。ロッドをつなぐネジ部が摩擦により発熱し、折損に到る。

② オペレーションサポートシステム(OPS)
通常のせん孔作業では、せん孔ドリフタ用、ロッドチェンジャ用、フラッシング用、セントラライザ(※6)用の4つのレバーを複合的に操作しますが、オペレーションサポートシステムでは、フィードレバーの前進と後進のみ(ワンレバーアクション)でせん孔が可能となり、通常のせん孔作業に比べ、オペレータのレバー操作回数を約70%削減します。
例えば、ドリリングロッドの継足し作業は、従来機(HCR1200-DVI)では、8つの操作が必要でしたが、オペレーションサポートシステム搭載機では、フィードレバーを前進側と後進側へ操作するだけで継足し出来ます(図3)。

図3 ロッド継足し工程の操作

※6 ロッドをつなぐカップリングスリーブをクランプする装置

■ タッチパネル画面

タッチパネル画面では、マニュアル操作⇔オペレーションサポートシステムの切り替えが可能です。オペレーションサポート画面(図2)では、作動状態、目標せん孔長、実せん孔長、ロッド本数を表示します。
目標のせん孔長をタッチパネルから入力することで、正確なせん孔長を得ることが出来ます。目標のせん孔長への到達後、自動でせん孔が停止し、ロッドの回収工程に移行します。
また、せん孔用レバーの操作指示を矢印で表示し、オペレータのせん孔作業をサポートします。

【主要諸元】HCR1000/1200 DVI ADVANCEシリーズ

【販売価格】オープン価格

製品紹介Youtube(HCR1000/1200-DVI ADVANCE)

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