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クラシックロックドリルの世界
第8回 AD3(ディガー)

1948年

AD3 外観
AD3 外観
AD3 外観
 
AD3 外観
 
AD3 外観


戦争中、さく岩機の製造は制限され、新規のさく岩機の開発は禁止されました。戦後になってさく岩機の生産は再開されましたが、最初のさく岩機需要は石炭採掘向けでした。
古河でもCA7の増産を行いましたが、石炭が硬い福島県磐城の古河好間炭鉱などからより打撃力の強いコールピックの開発要望が出てきました。
特に昭和22年初めに石炭と鉄鋼生産に資金と資産を集中投入する「傾斜生産方式」が実施されると新型機の要望は非常に大きくなりましたので、古河ではCA7より打撃力の大きい新型コールピックの開発を行いました。
しかし、一から新型さく岩機を開発すると1年以上の期間が必要となるため、新型コールピック:AD3は実績あるASD18のバルブ機構をそのまま流用して開発されました。

ASD18のバルブセットがそのまま流用されています。
ASD18のバルブセットがそのまま流用されています。


AD3
重量 12.5Kg
シリンダ内径 48㎜
ピストンストローク 50㎜
バルブ形式 半自動バルブ
SINGLE KICK VALVE
バルブ形状 チューブ型
打撃数 1750回/分
ロッドはCA7と共用


ハンドルに付属したスロットルレバー
ハンドルに付属したスロットルレバー


AD3はCA7に比べて5割あまり打撃力が向上しましたが、スロットルレバー操作が必要なため、レバーの隙間から粉塵が侵入してASD18由来の複雑な構造のバルブが停止する事が有り、CA7ほど乱暴な扱いには向いていませんでした。

AD3の動作状態
スロットルレバー全体を手で包むようにして作動中にレバー部から粉塵がさく岩機本体内に侵入しないようにします。


AD3 カタログ
AD3 カタログ
解体工事で使用されるAD3(昭和30年頃)
解体工事で使用されるAD3(昭和30年頃)

完成したAD3は早速好間炭鉱に出荷されましたが、運搬は従業員が1台づつ担いで汽車を乗り継ぎ運びました。
これは運送費を浮かすためと、戦後の食糧難の足尾に帰りはリュック一杯の食料(大体はサツマイモ)を買い出してくるためでした。
好間炭鉱は石炭重点指定鉱山でしたので酒の配給があったため、出張者は夜に酒を飲ませてもらえることから毎回20人前後の運搬者に希望者が殺到しました。

AD3は本格的なコールハンマー、エアブレーカが開発されるまでの繋ぎとして十分に活躍しました。

次回はASD26(1951年)の予定です。